ヨブ記22-24 ; 使徒11

ヨブ記

第22章

22:1そこでテマンびとエリパズは答えて言った、
22:2「人は神を益することができるであろうか。
賢い人も、ただ自身を益するのみである。
22:3あなたが正しくても、全能者になんの喜びがあろう。
あなたが自分の道を全うしても、
彼になんの利益があろう。
22:4神はあなたが神を恐れることのゆえに、
あなたを責め、あなたをさばかれるであろうか。
22:5あなたの悪は大きいではないか。
あなたの罪は、はてしがない。
22:6あなたはゆえなく兄弟のものを質にとり、
裸な者の着物をはぎ取り、
22:7疲れた者に水を飲ませず、
飢えた者に食物を与えなかった。
22:8力ある人は土地を得、
名ある人はそのうちに住んだ。
22:9あなたは、やもめをむなしく去らせた。
みなしごの腕は折られた。
22:10それゆえ、わなはあなたをめぐり、
恐怖は、にわかにあなたを驚かす。
22:11あなたの光は暗くされ、
あなたは見ることができない。
大水はあなたをおおうであろう。
22:12神は天に高くおられるではないか。
見よ、いと高き星を。いかに高いことよ。
22:13それであなたは言う、『神は何を知っておられるか。
彼は黒雲を通して、さばくことができるのか。
22:14濃い雲が彼をおおい隠すと、
彼は見ることができない。
彼は天の大空を歩まれるのだ』と。
22:15あなたは悪しき人々が踏んだ
いにしえの道を守ろうとするのか。
22:16彼らは時がこないうちに取り去られ、
その基は川のように押し流された。
22:17彼らは神に言った、『われわれを離れてください』と、
また『全能者はわれわれに何をなしえようか』と。
22:18しかし神は彼らの家を良い物で満たされた。
ただし悪人の計りごとは
わたしのくみする所ではない。
22:19正しい者はこれを見て喜び、
罪なき者は彼らをあざ笑って言う、
22:20『まことにわれわれのあだは滅ぼされ、
その残した物は火で焼き滅ぼされた』と。
22:21あなたは神と和らいで、平安を得るがよい。
そうすれば幸福があなたに来るでしょう。
22:22どうか、彼の口から教を受け、
その言葉をあなたの心におさめるように。
22:23あなたがもし全能者に立ち返って、おのれを低くし、
あなたの天幕から不義を除き去り、
22:24こがねをちりの中に置き、
オフルのこがねを谷川の石の中に置き、
22:25全能者があなたのこがねとなり、
あなたの貴重なしろがねとなるならば、
22:26その時、あなたは全能者を喜び、
神に向かって顔をあげることができる。
22:27あなたが彼に祈るならば、彼はあなたに聞かれる。
そしてあなたは自分の誓いを果す。
22:28あなたが事をなそうと定めるならば、
あなたはその事を成就し、
あなたの道には光が輝く。
22:29彼は高ぶる者を低くされるが、
へりくだる者を救われるからだ。
22:30彼は罪のない者を救われる。
あなたはその手の潔いことによって、
救われるであろう」。

第23章

23:1そこでヨブは答えて言った、
23:2「きょうもまた、わたしのつぶやきは激しく、
彼の手はわたしの嘆きにかかわらず、重い。
23:3どうか、彼を尋ねてどこで会えるかを知り、
そのみ座に至ることができるように。
23:4わたしは彼の前にわたしの訴えをならべ、
口をきわめて論議するであろう。
23:5わたしは、わたしに答えられるみ言葉を知り、
わたしに言われる所を悟ろう。
23:6彼は大いなる力をもって、
わたしと争われるであろうか、
いな、かえってわたしを顧みられるであろう。
23:7かしこでは正しい人は彼と言い争うことができる。
そうすれば、わたしはわたしをさばく者から
永久に救われるであろう。
23:8見よ、わたしが進んでも、彼を見ない。
退いても、彼を認めることができない。
23:9左の方に尋ねても、会うことができない。
右の方に向かっても、見ることができない。
23:10しかし彼はわたしの歩む道を知っておられる。
彼がわたしを試みられるとき、
わたしは金のように出て来るであろう。
23:11わたしの足は彼の歩みに堅く従った。
わたしは彼の道を守って離れなかった。
23:12わたしは彼のくちびるの命令にそむかず、
その口の言葉をわたしの胸にたくわえた。
23:13しかし彼は変ることはない。
だれが彼をひるがえすことができようか。
彼はその心の欲するところを行われるのだ。
23:14彼はわたしのために定めた事をなし遂げられる。
そしてこのような事が多く彼の心にある。
23:15それゆえ、わたしは彼の前におののく。
わたしは考えるとき、彼を恐れる。
23:16神はわたしの心を弱くされた。
全能者はわたしを恐れさせられた。
23:17わたしは、やみによって閉じこめられ、
暗黒がわたしの顔をおおっている。

第24章

24:1なにゆえ、全能者はさばきの時を
定めておかれないのか。
なにゆえ、彼を知る者がその日を見ないのか。
24:2世には地境を移す者、
群れを奪ってそれを飼う者、
24:3みなしごのろばを追いやる者、
やもめの牛を質に取る者、
24:4貧しい者を道から押しのける者がある。
世の弱い者は皆彼らをさけて身をかくす。
24:5見よ、彼らは荒野におる野ろばのように出て働き、
野で獲物を求めて、その子らの食物とする。
24:6彼らは畑でそのまぐさを刈り、
また悪人のぶどう畑で拾い集める。
24:7彼らは着る物がなく、裸で夜を過ごし、
寒さに身をおおうべき物もない。
24:8彼らは山の雨にぬれ、しのぎ場もなく岩にすがる。
24:9(みなしごをその母のふところから奪い、
貧しい者の幼な子を質にとる者がある。)
24:10彼らは着る物がなく、裸で歩き、
飢えつつ麦束を運び、
24:11悪人のオリブ並み木の中で油をしぼり、
酒ぶねを踏んでも、かわきを覚える。
24:12町の中から死のうめきが起り、
傷ついた者の魂が助けを呼び求める。
しかし神は彼らの祈を顧みられない。
24:13光にそむく者たちがある。
彼らは光の道を知らず、光の道にとどまらない。
24:14人を殺す者は暗いうちに起き出て
弱い者と貧しい者を殺し、
夜は盗びととなる。
24:15姦淫する者の目はたそがれを待って、
『だれもわたしを見ていないだろう』と言い、
顔におおう物を当てる。
24:16彼らは暗やみで家をうがち、
昼は閉じこもって光を知らない。
24:17彼らには暗黒は朝である。
彼らは暗黒の恐れを友とするからだ。
24:18あなたがたは言う、
『彼らは水のおもてにすみやかに流れ去り、
その受ける分は地でのろわれ、
酒ぶねを踏む者はだれも
彼らのぶどう畑の道に行かない。
24:19ひでりと熱さは雪水を奪い去る、
陰府が罪を犯した者に対するも、これと同様だ。
24:20町の広場は彼らを忘れ、
彼らの名は覚えられることなく、
不義は木の折られるように折られる』と。
24:21彼らは子を産まぬうまずめをくらい、
やもめをあわれむことをしない。
24:22しかし神はその力をもって、
強い人々を生きながらえさせられる。
彼らは生きる望みのない時にも起きあがる。
24:23神が彼らに安全を与えられるので、
彼らは安らかである。
神の目は彼らの道の上にある。
24:24彼らはしばし高められて、いなくなり、
ぜにあおいのように枯れて消えうせ、
麦の穂先のように切り取られる。
24:25もし、そうでないなら、
だれがわたしにその偽りを証明し、
わが言葉のむなしいことを示しうるだろうか」。


使徒

第11章

11:1さて、異邦人たちも神の言を受けいれたということが、使徒たちやユダヤにいる兄弟たちに聞えてきた。11:2そこでペテロがエルサレムに上ったとき、割礼を重んじる者たちが彼をとがめて言った、11:3「あなたは、割礼のない人たちのところに行って、食事を共にしたということだが」。11:4そこでペテロは口を開いて、順序正しく説明して言った、11:5「わたしがヨッパの町で祈っていると、夢心地になって幻を見た。大きな布のような入れ物が、四すみをつるされて、天から降りてきて、わたしのところにとどいた。11:6注意して見つめていると、地上の四つ足、野の獣、這うもの、空の鳥などが、はいっていた。11:7それから声がして、『ペテロよ、立って、それらをほふって食べなさい』と、わたしに言うのが聞えた。11:8わたしは言った、『主よ、それはできません。わたしは今までに、清くないものや汚れたものを口に入れたことが一度もございません』。11:9すると、二度目に天から声がかかってきた、『神がきよめたものを、清くないなどと言ってはならない』。11:10こんなことが三度もあってから、全部のものがまた天に引き上げられてしまった。11:11ちょうどその時、カイザリヤからつかわされてきた三人の人が、わたしたちの泊まっていた家に着いた。11:12御霊がわたしに、ためらわずに彼らと共に行けと言ったので、ここにいる六人の兄弟たちも、わたしと一緒に出かけて行き、一同がその人の家にはいった。11:13すると彼はわたしたちに、御使が彼の家に現れて、『ヨッパに人をやって、ペテロと呼ばれるシモンを招きなさい。11:14この人は、あなたとあなたの全家族とが救われる言葉を語って下さるであろう』と告げた次第を、話してくれた。11:15そこでわたしが語り出したところ、聖霊が、ちょうど最初わたしたちの上にくだったと同じように、彼らの上にくだった。11:16その時わたしは、主が『ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは聖霊によってバプテスマを受けるであろう』と仰せになった言葉を思い出した。11:17このように、わたしたちが主イエス・キリストを信じた時に下さったのと同じ賜物を、神が彼らにもお与えになったとすれば、わたしのような者が、どうして神を妨げることができようか」。11:18人々はこれを聞いて黙ってしまった。それから神をさんびして、「それでは神は、異邦人にも命にいたる悔改めをお与えになったのだ」と言った。
11:19さて、ステパノのことで起った迫害のために散らされた人々は、ピニケ、クプロ、アンテオケまでも進んで行ったが、ユダヤ人以外の者には、だれにも御言を語っていなかった。11:20ところが、その中に数人のクプロ人とクレネ人がいて、アンテオケに行ってからギリシヤ人にも呼びかけ、主イエスを宣べ伝えていた。11:21そして、主のみ手が彼らと共にあったため、信じて主に帰依するものの数が多かった。
11:22このうわさがエルサレムにある教会に伝わってきたので、教会はバルナバをアンテオケにつかわした。11:23彼は、そこに着いて、神のめぐみを見てよろこび、主に対する信仰を揺るがない心で持ちつづけるようにと、みんなの者を励ました。11:24彼は聖霊と信仰とに満ちた立派な人であったからである。こうして主に加わる人々が、大ぜいになった。11:25そこでバルナバはサウロを捜しにタルソへ出かけて行き、11:26彼を見つけたうえ、アンテオケに連れて帰った。ふたりは、まる一年、ともどもに教会で集まりをし、大ぜいの人々を教えた。このアンテオケで初めて、弟子たちがクリスチャンと呼ばれるようになった。
11:27そのころ、預言者たちがエルサレムからアンテオケにくだってきた。11:28その中のひとりであるアガボという者が立って、世界中に大ききんが起るだろうと、御霊によって預言したところ、果してそれがクラウデオ帝の時に起った。11:29そこで弟子たちは、それぞれの力に応じて、ユダヤに住んでいる兄弟たちに援助を送ることに決めた。11:30そして、それをバルナバとサウロとの手に託して、長老たちに送りとどけた。


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